2013.04.01

腰椎椎間板ヘルニア

それは2年前テニスクラブで試合中におこった出来事であった。急に右足に力が入らなくなりしびれも出て走れず、ボールを打ち返せない。3ゲーム粘ったが棄権し、帰りの車の運転ではペダルを踏むのもやっとだった。腰椎椎間板ヘルニアの発症であった。整形外科医として30年以上動揺の患者さんを治療してきた私がなぜ????

振り返ってみるとここ20年間、週4、5回テニスをやり体には自信があると自慢し、なれないマラソン大会にでたり、一日中テニスをやったり、無理が重なった結果だと思われる。最近、外来診療で高齢者のヘルニアが増えているのが目につく。勿論、MRI等の診断技術が発達したのも一因であるが、なにより健康に対する意識の向上で特に高齢者が色んなスポーツに参加し無理をしているのも原因ではないか?また、椎間板ヘルニアに対してははっきりした病態がいまだ解明されずあるデータによれば70歳以上の約半数以上の方に本人も知らないヘルニアがMRI上観られると言われている。

原因も病気の進行も治癒の課程も人によって異なるので治療に対しても議論が多いのも現状である。とにかく私の経験からするとこれらは確実であろうと考える。

  1. 日常生活の中では特に姿勢に気をつけましょう。(長時間の座位、立位が避けた方が良いがどうしてもとゆう時は下腹部に力を入れて筋肉で支える。また、ものを持ち上げる時は中腰で手を伸ばす動作は避け腰を落として肘も曲げる。)
  2. 肥満はならない様に努めるがそうであれば人の倍位の筋力(腹筋、腰背筋、臀筋、大腿筋)を鍛える。
  3. 運動は常に続けた方が良い。しかし急に無理なスポーツをするのは避けた方が望ましい。
  4. バランスのとれる体操やストレッチを常に心懸けて日常生活の中で行いましょう。
  5. 腰痛、下肢痛や下肢のしびれがあれば必ず整形外科医を受診しましょう。
  6. 高齢者の腰痛予防には歩き、水泳水中歩行等無理のないバランスの取れる運動を勧めます。
  7. 腰痛の原因には椎間板ヘルニア以外にも骨粗鬆症、脊柱管狭窄症、筋筋膜性腰痛症、変形性腰椎症など様々な病気があるし、思いもよらない腰痛、たとえば内臓由来、癌の転移性、心因性、感染性など多岐にわたっているので長期化する場合は必ず病院で観てもらいましょう。

最後になりますが腰痛、肩こり、関節痛はいまや三大国民病と言われています。なにより普段の自己管理がもっとも大切だと思います。毎日気を遣って元気な身体を作りましょう。

2013.3.19
崔 浩生