2013.01.01

扁桃炎

扁桃炎の原因

扁桃はのどの周囲に4つありますが、一般に扁桃といった場合は、のどの両側にアーモンド型にはり出している「口蓋扁桃」のことです。

扁桃には、免疫学的機能と防御的機能があり、ウイルスや細菌などの病原体の侵入を防ぎ、体を守る働きをしています。

免疫機能が未熟な子どもは、扁桃の機能に頼る割合が高く、ウイルスや細菌に感染しやすいのですが、成長するにつれて扁桃以外の免疫機能が発達してくるために、感染しにくくなってきます。

一般に扁桃炎として知られているのは急性扁桃炎です。急性扁桃炎を繰り返していたり、治療が不十分だと慢性化することがあります。1年に4~5回も急性扁桃炎を繰り返したものは慢性扁桃炎です。

ごくまれに、慢性扁桃炎や免疫異常が起こり、腎臓や心臓などに二次的疾患(腎炎、リウマチ、心臓病、皮膚病)を引き起こすことがあります(病巣感染)。治療(手術)をして扁桃を切除することで二次的疾患が改善することも少なくありません。

扁桃炎とはいっても、扁桃にのみ炎症が限定することはなく、その周囲の咽頭炎を併発していることがほとんどです。原因は年齢による違いもありますが、頻度として最も多いのはウイルス感染です。

2歳までの扁桃炎は、大部分がウイルス感染によります、原因ウイルスとしては、気道感染をおこすウイルスならすべて扁桃炎をおこします。主なウイルスをあげると、RSウイルス、アデノウイルス、パラインフルエンザウイルス、インフルエンザウイルス、EBウイルスなどです。

3歳以上になると、細菌感染による扁桃炎が増加してきます。溶血性連鎖球菌が主ですが、その他に、ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌などもあります。この年齢ではウイルスによる感染はとても多いので、扁桃炎がイコール溶血性連鎖球菌ではないことに注意しましょう。この時期に扁桃炎をおこすウイルスの代表は、アデノウイルス、EBウイルスです。ウイルス感染により保菌していた細菌が増殖して、あたかも細菌感染が原発と思われるように扁桃に白い物が付着する扁桃炎(写真)となることがあります。

主な症状

症状はかぜと似ており、高熱が出る、のどが痛い、扁桃が赤く腫れる、扁桃から膿が出る、のどの違和感などです。炎症が軽い場合は、数日で治りますが、重症化すると、食べ物や唾液が飲みこみにくくなり、呼吸が苦しくなってくることもあります。

治療では鎮痛解熱薬、抗生物質(内服または点滴注射)などが用いられ、多くは4~5日で治ります。扁桃炎を何度も繰り返したり、扁桃が大きくなって呼吸ができないほどの場合は、扁桃を切除する手術が必要となることがあります。 扁桃炎を予防するには、ストレスを解消し、疲れたら休むことです。十分に睡眠をとり、バランスのよい食事をとりましょう。また歯をみがき、外から帰ってきたらうがいをして口の中を清潔にしておきます。

のどが痛く食べられないとき

乳幼児はのどに痛みのあると固形食とらなくなりますので、お粥、プリン、ゼリー、アイスクリーム、ヨーグルト、豆乳など、のど越しのよいものを与えます。また脱水症にならないように豆乳、番茶、ジュースなどで水分を十分に与えましょう。

(コラム)扁桃に白い物が付着している扁桃炎

扁桃に、①小さな白い物が付いている場合は陰窩性扁桃炎(図)、②大きな白い物が付着している場合は偽膜性扁桃炎(図)といいます。このようになる扁桃炎の主な病原菌はアデノウイルス感染症、溶連菌感染症です。その他に、インフルエンザ菌、肺炎球菌、EBウイルス、ヘルペス感染症などでもなります。

陰窩性扁桃炎

偽膜性扁桃炎

文責:宮下  守